- 平等ゲーム
- 価格: ¥ 1,575
- 発売日: 2008/08
- 売上ランキング: 216705
- おすすめ度

仕事は4年に一度抽選で決まる。島のルールは住民たちの投票で決まる。何もかも平等の鷹の島で育った耕太郎が、勧誘係の仕事に選ばれて本土の人間と触れあいながら、平等の島では決して生まれない口惜しさ、達成感、嫉妬などの感情の意味を理解していく。その過程がリアルに描かれていて読みやすかった。
物語の後半では、平等島の真実に気付いた耕太郎がどのような行動をとるのかはとても興味深く、平等島のことしか知らない耕太郎が「完璧な理想社会」を信じている想いが痛いほど伝わってきた。
この作品の中では、平等、個性、ルール、理想、感情など考えることが多かった。人間は社会のために生きているのではなく、自分や自分の大事な人が幸せに暮らすことを一番に考えている。そのために社会のルールは大事だが、それでも自分にとって大事な順番は変わらない。これは当然のことなのだが、改めて言葉に出すことがないので、とても印象に残っている
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