「おれどうすりゃいんですかね？生きてるのつらいっす。」
「そうか、つらいか」と、みんなつらよ。と言わない所が偉い！
「おれつらいっす。どうすりゃいいんですかね？」
「何もしないでいいなじゃないか」

・動物園のエンジン
　その人が居るだけでまるで動物園にエンジンがかかったようになる人の話。

・サクリファイス
　不思議村へ人探しにやってきた黒澤（空き巣）が村の風習である生贄行事を解明してく。

・フィッシュストーリー
　売れないロックバンドのＣＤの一曲の無音部分が時空を超えて軌跡を起こす。

・ポテチ
　黒澤の空き巣仲間と野球選手とが赤ん坊取り違え事件で入れ替わった話。

事前に「重力ピエロ」を読んでいたので、黒澤についてはすでに親近感すら涌いて来た。
いつか伊坂氏がこの空き巣を中心にした小説を書く事を期待する。

短編集だが、いずれも仙台が舞台のちょっと不思議な感じのするお話し。
なぜか、行った事は無いけれど仙台は不思議な町のような気がしてきた。

オレの行動が魚だとしたら、好奇心で水から飛び出して戻れずに干からびて死んでしまうだろうな。