小学生時代にカシオペアの丘で宇宙船を見ようと夜集まった幼なじみがやがて大人になりある事件をきっかけにまたその丘に集合した４人。 

シュンとの喧嘩がきっかけで車椅子になったしまい地元でミッチョと結婚したトシ。
大学生時代にシュンと付き合い子供を流産してしまったミッチョ。
４０才目前にして癌に侵され余命を宣告されたシュン。
東京でテレビ関係のカメラマンのユウ。

そして、火災の起きた炭鉱を守る為にまだ中に残っている人が居るにもかかわらず注水を支持した地元の名士倉田千太郎。
車でおばあさんを跳ねてしまったレポーターのミユ。
妻の浮気相手に子供を殺されてしまった川原さん。

シュンの死期を目前にそれぞれの思いが交錯してゆく。

ゆるされたいと思っている者と、許している事を伝えたい者。

心に傷を持った人たちの中で、特に川原さんの思いは痛い。。
子供の無念さを妻と一緒に悲しもうと思っていたいたや先の犯人と妻の関係。
それでも妻を許せるのか？
それでも自分は生きて行けるのか？
癌に侵されたシュンと出会い、炭鉱を救うために決死の決断をした倉田千太郎と出会い・・・。
それでもまともに生きて行けるのか？
「許す。」って事はそんなに簡単な事じゃないよな。。

シュンの衰弱ぶりを読んでいると自分がそうなったようにだんだん生気が失われるような錯覚にとらわれた。
沢山の人に見守られて死んでいくのは幸せだろうか？
自分は家族のみで残された大切な時間を過ごしたいと思った。

重松清。重くて暗くて悲しいから、暫くお休みするぞ！